濱田窯の仕事について

 濱田窯では、濱田庄司の時代に確立された仕事を、時代の状況に合わせつつも、現在でも継承しています。

 例えば、成形については、職人たちは、現在の益子では使用することが少なくなった、蹴りロクロを使って作業をしています。労働生産性は、電動ロクロに劣りますが、慣れると回転の速度などを自在に調整することができるなど、利点も多いものです。

 また、通常、ロクロの回転方向は、産地ごとであったり工房ごとであったりで、統一されていることが多いのですが、濱田窯では職人によって、ロクロの回転方向や、蹴り方が異なっています。伝統的なスタイルでありつつ、一方で、制度に捕らわれない濱田窯の自由な気風が、このようなところにも現れているといえるかもしれません。

 釉薬は、木灰などを原料とした天然釉薬を基本とし、焼成には、薪による登り窯も使用されています。

 濱田庄司の時代には、大小含めて複数の登り窯を活用していた時代もありますが、現在では、登り窯一基を中心に、ガス窯、塩釉用の塩窯を活用しています。

 一回の焼成で数千点の作品を焼くことができる登り窯は、春と秋の年2回焚かれ、この登り窯の焼成に合わせて、濱田窯の様々な仕事が流れています。

 これらの窯から、晋作・友緒親子の個人作家作品と工房作品とがともに生み出されています。